歴史的価値の高い中国紙幣
歴史的価値の高い中国紙幣
中国では近年電子マネー決済が主流になり紙幣を利用した支払い方法がほとんど行われていません。しかし中国の紙幣文化は世界的にも非常に深い歴史を持っており、歴史的な価値が非常に高い事から世界の紙幣をコレクションしているコレクターから高く評価されています。ただ大量発行によるインフレーションが起こり、一時期紙幣の価値を大暴落させたことがあるため、国内では希少性の高い中国紙幣は非常に限られてしまいます。
その中でも特に人気が高いとされるのが、金王朝時代に発行された交鈔中統元宝交鈔や、蒋介石政権に発行された法幣、世界で一番古い紙幣である交子・会子などは状態の良いものは人気がたかいので、10,000円以下の価値で取り引きされています。
歴史的に価値が高いとされる中国紙幣は、複製品も多数出回ってしまっている現状があります。そのため購入時や売却をする際には古銭専門の鑑定師がいる買取専門業者に依頼をすることが重要です。
中国紙幣は世界で初めて生まれた歴史ある紙幣
貨幣コレクターの間で以前から根強い人気があるのが、中国紙幣です。
その歴史はとても古く、北宋時代の10世紀の中頃と言われています。それまではヨーロッパのローマ帝国等と同じく貨幣が流通していましたが、中国では貨幣の原料となる金・銀・銅の鉱物を採掘出来る場所が少ないのが問題でした。そこで当時の皇帝は、国内で手に入りやすい紙を用いた通貨を普及させることを思いつき、紙幣が誕生したのです。その世界最初の中国紙幣の名を「交子」といい、中国で発明されていた製紙技術と印刷技術を駆使して製造されることになります。この世界初の紙幣がヨーロッパに伝えられたのは大航海時代の1400年代に入ってからで、中国・蘇州に立ち寄ったマルコ・ポーロが祖国に持ち帰ったのがきかっけです。紙幣というと手のひらサイズのものを連想しますが「交子」は、現在の紙のサイズでA4もの大きさがあったことが文献で明らかになっています。皇帝の肖像画が記されているため折り曲げることも出来ず、持ち歩くのが大変だったことは容易に想像できることでしょう。